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赤門塾シンポジウム

どんなに知識があろうと机上の学習のみでは意味がない。

幼少時代のあこがれから今の職業へ。

●現在、どのようなお仕事をされていますか?

香川大学医学部附属病院小児科での勤務を経て、現在小豆島町立内海病院小児科にて医師として勤務しております。

●どうして医師という職業を選んだのですか?

はじめは、小学校時代にテレビを見て漠然と医者になりたいと思ったのを、塾の先生方や友だちが後押ししてくれて気持が固まった、というような形でした。医師になるには当然ながら医師免許が必要なので、香川大学医学部医学科を受験し、入学しました。医学部の勉強は卒業時に医師免許を取得することが一つの目標となり、それに向けたカリキュラムは他の学部と異なり必修科目が大きな割合を占めています。

現場で必要なのは、問題解決能力。

●大学では具体的にどんな勉強をしましたか?

1~2年生では一般教養の授業も多く語学や芸術を学ぶことも可能でしたが、2年生の後半からは生化学や解剖学など医学の基本をなす学問を学び始めます。3~4年生は基礎医学に加え呼吸器内科や消化器外科などいわゆる臨床医学を学びます。基礎医学の知識を元に人間の病気の仕組みを知りその治療法を学びはじめた時、医師として働く将来が急にリアルに感じられたのを覚えています。ここまでの間、臨床の現場で患者さんと接することはほとんどありませんが、5~6年生で行う臨床実習では毎日病院に出入りし担当患者さんの訴えや診察所見から学ぶようになり、教科書ではなく人間を相手にして医学を学ぶこととなります。そこで感じたことは医療現場で必要な知識は医学的なものだけでは十分でないということです。患者さんとの会話の中に病気の診断への鍵が隠されていますし、患者さんの生活の背景や年齢によって治療のゴールも異なってきますから、一般常識やコミュニケーション能力、大きく言えば問題解決能力が必要だと感じました。

●卒業後はすぐに医師になったんですか?

私が大学を卒業し医師免許を取得した頃は卒後臨床研修制度が始まっていたので、2年間研修医としていろいろな科をローテートする必要がありました。
一番最初は採血や点滴確保すらできない状況で、研修医同士注射針を刺し合ったり診察の手技の確認をしたり、実際に患者さんを目の前にするとうまくいかなかったりと悪戦苦闘の毎日でした。
先輩の先生が言われるには、「どんなに医学的知識を身につけていても、手技ができなければ患者さんは救えない。」と厳しいお言葉で、机上の勉強だけでは意味がないことを思い知りました。

答えのない問いに立ち向かえる自信。

●学部卒業後も色々な科をまわるんですね・・・。いつから「医師」としてひとり立ちできるんですか?

前述の通り、内科外科救急などに数ヶ月ずつ所属して研修し、特定の診療科に所属して専門を決めるのは3年目以降となります。私は小児科医の道を歩み始めました。小児科医はこどもが生まれ持った可能性を、極限まで生かすことができるようその発育をサポートするのが仕事です。こどもが成長した時に小さい頃からの夢を叶えたり、社会の一員として羽ばたいていく姿を想像すると、大きなやり甲斐を感じます。尊敬してやまない多くの諸先輩方にも恵まれ、その御指導のもと日々の診療に携わっています。臨床を続けながら大学院へも進学し臨床医学だけでなくその基礎医学の研究も始め、新生児仮死を始めとした小児疾患の病態の解明とその治療法の研究に参加しています。

●これからの進路を考えている後輩たちへ、メッセージをお願いします。

今赤門塾で学んだ日々を思い返し、そこでの勉強は今の自分に大きな助けとなっているように思います。大学以降、人が直面する問題には模範的解決策がないものが多く存在し答えすらないこともざらです。それに比べ大学入試の問題には答えのあるものが多いですが、小論文の様な問題は各生徒の一般常識の有無が大きなネックとなりますから、授業にでている生徒全員が解き終わり理解することには膨大な時間がかかります。赤門塾はその特性上、生徒一人一人に対して別々の採点と説明を、時間をかけて行っていました。答えと資料を配り「読んでおくように」で終わらせれば一応授業としては成立しますが、それでは多くの疑問が未解決で残り、問題へ取り組むことへの意欲がそがれます。それがなかったことで、答えのない問題にも安心して立ち向かえる今の自分がいるのではないかと思うのです。